「原罪だと…メルギトスはそんなものを…！？」
「ダメだ…止めないとっ！」
「ダメです！マグナ。あれは強力な邪念の塊。戦いで消耗した貴方には近づく事さえ…！」
「！！」
「…僕が行こう。ヤツは融合した機械を増幅装置にしてあの原罪の嵐を放っている。
ならば、機械を停止させれば無効化出来るはず。
それが出来るのは融機人である僕だけだ…！」
「いけません！いくら貴方が融機人でもあの邪念の嵐を浴びるのは危険すぎます。
…それに、それにさっきのメルギトスとの接触で貴方はひどい傷を負ったのですから」
「本当なのか、ネス？！」
「…こんなもの…」
「だから、あたしが行きます」
「アメル？」
「天使アルミネの魂を持つあたしなら原罪の嵐を浴びても平気なはず、だから」
「…それなら僕も言わせて貰おう、アメル。
君こそ、この森の結界が破られたあの瞬間から、天使としての力は落ちて行っているはず。
違うか？」
「！アメル？そうなのか？」
「えへへ…バレちゃってましたか。さすがネスティさん。でもあたしが行きます」
「…ダメだ。俺は君もネスにも行かせない。行くのは俺だ」
「「マグナ？」」
「心配するなよ。俺にはとっておきが有るんだ」
「とっておき？何だ、それは。どうして今更そんなもの…！」
「マグナ、まさか！！」
「…………」
「ダメですっ！」
「ダメだっ！」
「……調律者たるマグナの名の下に…」
「きゃっ？」
「うっ？これは…まさか、麻痺の…っ」
「今の…っ、貴方の何処にそんな力、が……？」
「大丈夫、すぐ解けるからさ。
今から俺が使うのはちょっとだけ強力だからさ、麻痺が解けたら逃げてくれよな。
あ、ちょっと杖を借りるな、二人とも」
「…マグナっ！」
「行かないで、マグナぁっ！」
「………ネス、アメルを頼むな。しっかりしてるけど泣き虫なんだ。
気丈に振舞うけど弱いんだ。支えてやってくれよな」
「…マグナ」
「アメル。ネスを頼むな。放っておいたら自分には無頓着なんだ。五月蝿いけど大事な兄貴なんだ。
…頼むよ」
「……マグナぁ…」
「じゃ、行って来るから」
「…い、や…っ。いや、いやいや…っ！
行かないで行かないで行かないで行かないで行かないでっ！！マグナああぁぁぁっっ！！
いやあああぁぁぁっっ！！」
「アメル…っ」
「…言わなかったっ」
「？」
「言ってくれませんでしたっ！帰ってくるって」
「！！」
「……あたしをっ！置いて行かないでえぇぇっっ！！」





……実は。この後にメルギトスとの決戦も書いて有ったのですが。
此処では必要無し、と判断し、略しました。
因みに。其処でのマグナ、今まで書いた中では最強に「黒い」です。
マグアメといい、ハヤクラといい、ひとつは黒い物語が存在しますね…封印、封印っと。


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