例えて言うなら、ね。


すん…っごい優しい風。


熱くもなくて、勿論冷たくなんかなくて。
いつも、いつもあたしの側でそよぐ風。
その風がほら、今だって歌ってる。



「ナツミ?起こしてしまいましたか?」
「んーん。気持ち良すぎて、もっと寝てたいくらいだよ」
「…そうですか。もう少しなら、寝ていて構いませんよ?」
「ん。そうする。だから、さ」
「???」
「もうちょっと歌っててよ」

あたしが眠ってしまうまで。
できたら、その後もずっと。

「…はい」



哀しみも、苦しみも、苛立ちも吹き飛ばす優しい風が。
今日もほら、あたしの側で歌ってる。






20040814に行われた女の子強化合宿でTさんに書かせて頂いたブツです。
書いてみたかったものだったので、書けて嬉しかったですね。


20040814→20040818UP


ack