5話(不完全版です。修正して行きます)


 
広間
ハヤト:はあ…
レイド:どうかしたのか ため息なんかついて
ハヤト:いや、ちょっと向こうの世界のことを考えてたんですよ
    みんなどうしてるのかなあ、って
レイド:帰る方法は、見つかりそうか?
ハヤト:ははは、さっぱりです
レイド:クラレットと、一度きちんと相談したほうがいいのかもしれないな
ハヤト:クラレットとですか…




 
自由行動
 子供部屋

フィズ:あ、お兄ちゃん
ハヤト:なにしてるんだ?
フィズ:ラミと勉強してるの 文字のお勉強
ラミ:…(こくん)
フィズ:お兄ちゃんも、自分の名前ぐらい書けるように勉強したほうがいいんじゃない?
ハヤト:うーん…
    (たしかに読めたって、書けないのは問題かもしれないなぁ)
フィズ:このお手本あげるから 遊んでばかりいないで勉強しなさいよね
ハヤト:…はい

 ―かきかたの本を手に入れた―



 
子供部屋
ハヤト:あれ、フィズは?
ラミ:…おそと
   あとはひとりでがんばりなさい…って
ハヤト:しょうがないなぁ
ラミ:…(くいくい)
ハヤト:ん?
ラミ:これ、おにいちゃんのなまえ…
ハヤト:へえ、こう書くんだ?
    (おぼえとこ…)




 
台所
リプレ:ねえ、ハヤト(あなた)の世界のお料理って、どんなのがあるの?
ハヤト:うーん、そう言われても国ごとにいろいろとあるからなぁ
リプレ:あなたの暮らしていた国だったら?
ハヤト:まず、パンじゃなくて、お米っていうのを食べてて…
    …だいたい こんなカンジかな?
リプレ:お魚を生で食べちゃうんだ…
ハヤト:(あ、ショック受けてる)
リプレ:わ、私にも作れそうな料理ってない?
    できれば、貴方が好きなもので…
ハヤト:(俺が好きなもの…)
    ラーメン、かな?
リプレ:らーめん?
ハヤト:うん部活の帰りとかに友達とよく食べたっけ
リプレ:らーめん、ね?うん、それに決めたわ
ハヤト:え?
リプレ:作り方、教えてっ!
ハヤト:(うわっ、リプレの目が燃えてる…?)



 

ジンガ:おっ、アニキじゃん
ハヤト:二人でなんの話をしてるんだ
アルバ:ジンガから修行の旅の話を聞かせてもらったんだよ
ハヤト:たとえば?
アルバ:酒場で船乗りを相手に大暴れした話とかね、山賊退治で大暴れした話とかだよっ!
ジンガ:あはは、たいしたことない話でしょ?
ハヤト:
アルバ:ほんとに、ジンガって強いんだねぇ
ジンガ:へへへへっ

 
庭(2回目以降)
ハヤト:(アルバがジンガの話を夢中になって聞いてる)
    (悪い影響受けなきゃいいけどなぁ…)



 
レイドの部屋
ハヤト:あれ、出かけるんですか?
レイド:ああ、今日は剣術道場に行く日だからね



 
ガレフの森(スウォン サブイベント)
ハヤト:やあ、スウォン
スウォン:やあ、じゃないですよ 言ったでしょ!?
     この森には凶暴な獣がいるんだって
ハヤト:ああ、聞いたよ
スウォン:だったらどうして!?

     どうしよう?
      →そいつを見たいんだ
      →君が心配だったんだ

 →そいつを見たいんだ
ハヤト:そいつを見たいんだ
    どれほどすごい獣なのかをね
スウォン:…!
     貴方、自分がどれだけ無謀なことを言ってるかをわかってませんね
     僕の言ってることは冗談なんかじゃないんですよ!
     相手はこの森の主とも呼ばれてる獣なんです 子分だって、たくさん連れてるんですよ!
     囲まれてしまったら、腕利きの狩人でも絶対に助かりません!!
ハヤト:だったら、どうして君は一人でそんな場所に来てるんだ?
スウォン:…っ
ハヤト:おかしいじゃないか
    そんなに危険な相手がいるのに、どうして君はここにいるんだ?
スウォン:それは…
ハヤト:なにか理由があるんじゃないのかい?

 →君が心配だったんだ
ハヤト:君が心配だったんだよ
スウォン:え?
ハヤト:いくら君が森に慣れているといっても、一人じゃ危険すぎるよ
    さあ、一緒にここから出ようぜ?
スウォン:…駄目なんです
ハヤト:どうしてだよ
    狩りなら別の場所でもできるじゃないか?
スウォン:ここでなければ、駄目なんです!!
     僕はその獣に復讐するんですから…
ハヤト:(復讐!?)



スウォン:僕の父さんが、最初の犠牲者なんです…
     この森の主と呼ばれる【朱のガレフ】に殺されたんです!!
ハヤト:!?
スウォン:僕たち狩人とガレフは今まではこの森で共存してきました
     縄張りに入りさえしなければ、ガレフたちは僕らを襲わないはずだったんです
     なのに…っ
ハヤト:君の父さんは、襲われてしまったんだね
スウォン:僕は絶対に許さない!
     父さんを、僕の大好きな父さんをっ、あんな姿に…!!
     絶対に復讐してやる この父さんの弓で仇をとってやる…
ハヤト:事情はわかったよ
    でも、一人で仇をとるなんて無茶だ
スウォン:わかってます
     でも他の狩人たちは、ガレフを恐れて森から逃げてしまいました
     あいつと戦おうとしているのは、もう僕だけなんです…

     どうしよう?
      →なら、俺が手伝うよ
      →そうか…

 →なら、俺が手伝うよ
ハヤト:なら、俺が手伝うよ
    俺だけじゃない
    事情を話せば、きっと俺の仲間も力を貸してくれると思う
スウォン:でも…
ハヤト:ガレフは子分を連れているんだろ?
    たった一人で戦うのは絶対に無茶だと思うぜ
    森に不慣れな俺たちがどれほど役に立つかは不安だろうけど…
    君の背中を守るくらいの助けならできると思うんだ
スウォン:……
ハヤト:決めるのは今すぐじゃなくていいから、まずはみんなと会ってくれないか?
スウォン:…はい

 →そうか…
ハヤト:そうか…
スウォン:心配しないでください 無茶はしませんから
     それじゃ、気をつけて帰ってくださいね





 
広間
レイド:なるほど父親の仇討ちか…
エドス:しかし、あそこの森にそんな凶暴な獣がいるとは初耳だぞ
スウォン:ガレフの縄張りは森のずっと奥なんです
     ですから普通の人は、まず出会うことはありません
ガゼル:でもよ、今もそうとは限らねえんだろ?
スウォン:ええ…
ガゼル:まあ、あそこの森には薪とか拾いに行ったりもしてるからな
    そんな奴らがうろうろしてたんじゃ困るぜ
ハヤト:それじゃあ…
レイド:ああ、私たちにできることでいいなら手を貸すよ
ハヤト:よかったな スウォン?
スウォン:はい…ありがとうございます





 
森の中
エドス:しかし、なんだ
    いつ襲われるかわからないってのは…
ガゼル:なんだよ、びびってんのか?
エドス:そういうわけじゃない
    ただ、油断はするなと言いたいだけさ
レイド:それにしても、さっきから同じところを何度も回っていないか?
スウォン:ええ、そうです
     僕たちはさっきから、ガレフの縄張りの周りをジグザグに進んでるんですよ
ガゼル:おいおい! それじゃ襲ってくれって言ってるようなもんじゃねえか?
スウォン:でも、絶対にガレフをおびき出せます
     一人の時は無理でしたけど、今はみなさんがいます 大丈夫ですよ
ガゼル:おい…ハヤト 本当に大丈夫なのか?
ハヤト:大丈夫だよ…多分…
    …!!
レイド:どうやら現れたようだな?

 
遠吠え
ガゼル:って言うか、囲まれてるじゃねえかよっ!?
スウォン:慌てないでください いきなり襲ってきたりすることは…

 
近距離で唸り声
ハヤト:うわっ!
スウォン:そんな…威嚇もなしにいきなり襲ってくるなんて!?
クラレット:ハヤト! この獣は、普通の状態じゃありません!!
ハヤト:なんだって…
クラレット:かすかですが、魔力が感じられます
      そのせいで凶暴化しているみたいです!
ガレフ:グルルルッ…
スウォン:ガレフ!!
ハヤト:スウォン、やめろ! こいつはもう普通の獣じゃない!!
スウォン:父さんの仇、今日こそ討ってやるっ!!

 
バトルあと
ハヤト:はぁ、はぁ…勝った…
レイド:ああ、なんとかな
ガゼル:バカ野郎っ!
スウォン:あっ!!
ハヤト:ガゼル…
ガゼル:ハヤト(あいつ)が止めたのが聞こえなかったのかよ!?
スウォン:……

     どうしよう?
      →ガゼルをなだめる
      →スウォンを叱る

 →ガゼルをなだめる
ハヤト:仕方ないよ、ガゼル
    スウォンはお父さんを殺されているんだ
ガゼル:だからってな…!
スウォン:いえ、いいんです ハヤトさん
     僕が悪かったんです みなさんに迷惑をかけてしまって…
     本当にごめんなさい

 →スウォンを叱る
ハヤト:ガゼルの言うとおりだよ、スウォン?
    勝てたから良かったけど、負けていたら仇を討つどころじゃなかったんだから

エドス:しかし良かったな
    こうして仇を討つことができたんだ
    これでワシらも、安心してこの森に来られるってもんだ、うん
クラレット:残念ですが、まだ無理みたいです
ハヤト:クラレット?
クラレット:獣たちの身体をよく見てください…
レイド:…!?
ハヤト:これってキノコなのか?
クラレット:見かけはそうですが、これでもれっきとした召喚獣なんです
ガゼル:なんだとっ!?
クラレット:おそらくこの獣たちは召喚獣の胞子を浴びて凶暴化したんでしょう
ハヤト:それじゃ、ガレフたちは召喚獣の犠牲になっただけなのか…
クラレット:ええ、そして召喚獣はまだこの森の中にいるかもしれないんです
ガゼル:そのキノコ野郎も倒さなけりゃ、意味がないってことかよ
スウォン:そんな…
レイド:とにかく いったん街に戻ろう





 
広間
エドス:スウォンのやつ 相当落ちこんどるようだな
レイド:仕方あるまい 父親が襲われた理由があれではな
ガゼル:なあ、ハヤト これからどうすんだ
ハヤト:え?
ガゼル:え、じゃねえよ
    あいつを連れてきたのはお前だろうが?
    あいつの追いかけてたガレフは倒したんだ
    仇は討ったじゃねえか
ハヤト:でも、ガレフは召喚獣に狂わされていただけで…
ガゼル:だーかーらっ!
    ここで仇討ちを終わりにするかを決めるのはあいつだろうが!?
ハヤト:あ…
エドス:そうだな
    肝心なのはスウォンがどうしたいかだ
ガゼル:さっさとスウォンの奴を呼んで来いよ
    いつまでもいじけてるんじゃねえってな
ハヤト:…うん!





 
自由行動
 

ハヤト:スウォン みんなが待ってるぜ
スウォン:ハヤトさん もういいんです
     もう、父さんの仇討ちはあきらめます
ハヤト:そんな、どうして!?
スウォン:ガレフが父さんを襲ったのは、召喚獣のせいですよね
ハヤト:ああ だから、そいつが君の父さんの本当の…
スウォン:違います!
     そいつだって、自分であの森にやって来たんじゃない
     召喚師に呼ばれたから この世界に来たんじゃないですか!?
ハヤト:!?
スウォン:ガレフを倒した時に、やっと僕は気づいたんですよ
     どこまで繰り返したって、復讐には終わりがないってことに
ハヤト:確かに、そうかもな
    だけど、それじゃ森はどうなるんだ?
    召喚獣を倒さなければ別の獣がガレフのようになってしまう
    そしてそいつが、君の父さんのような犠牲者を作るかもしれないんだぞ!?
スウォン:それは…
ハヤト:君の父さん、ガレフ、そして君自身のために召喚獣を倒そう?
    復讐するためじゃない
    同じ悲しみを繰り返さないために…
スウォン:悲しみを繰り返さないために…





 
森の中
スウォン:召喚獣はきっと、森の奥に隠れてるはずです
エドス:どうしてだ?
スウォン:森の奥はほとんど日が差さないから、地面がいつも湿ってるんです
レイド:なるほど…相手はキノコの化け物だからな
クラレット:彼らの吐き出す胞子に注意してください!
      ガレフたちと同じようになってしまいますよ
ガゼル:ケッ! くらってたまるかよ

 
召喚獣の鳴き声
ハヤト:…あれか!?
スウォン:あいつが…はぐれ召喚獣!!
ハヤト:みんな、行くぞっ!

 
バトルあと
スウォン:これで、終ったんですよね…?

     どうしよう?
      →ああ、そうだよ
      →とりあえずはね

 →ああ、そうだよ
ハヤト:ああ、そうだよ
    スウォンが終らせたんだぜ?
スウォン:…ううっ
     父さあぁ〜んっ!!

 →とりあえずはね
ハヤト:とりあえずはね
スウォン:ガレフ…君を殺してしまって ごめんね…
     許しておくれ…

スウォン:みなさん、本当にありがとうございます
     何かおれいができれば、いいんですけど…
ガゼル:ケッ、最初からそんなの期待してねえよ
エドス:ワシらは損得勘定で、お前さんを手伝ったわけじゃない
    友達だから助けたのさ
レイド:そうだろう ハヤト?
ハヤト:ああ、そうだよ
    スウォンは俺の…ううん、俺たちの大事な友達だもんな!
スウォン:みなさん…
ハヤト:だから いつだって遊びに来ていいんだぜ?
スウォン:…はい!





 
部屋3
ハヤト:俺がこの世界に呼ばれたのは事故だったんだよな?
クラレット:ええ、前に説明しましたけど…
      ひょっとして、疑ってるんですか?
ハヤト:いや そうじゃなくって!
    事故だったんならさ、その現場を調べていけば、なにか手がかりが見つからないかな?
クラレット:
ハヤト:ははは、無駄かな?
クラレット:いえ、たしかにそれは必要かもしれません
      私がわかる範囲でしか調べることはできないですけど…
ハヤト:それでも、何も知らない俺たちよりはマシなはずさ
    よし、そうと決まれば みんなに…
クラレット:いえ、私とあなただけで充分でしょう
      無駄足を踏む可能性もありますし
ハヤト:(うーん…)

     どうしよう?
      →…大丈夫かな?
      →そうだな…

 →…大丈夫かな?
ハヤト:…大丈夫かな?
クラレット:別に今すぐ決めなくたっていいんですから よく考えて…
      どうするか決めたら、教えてくださいね

 
部屋3(2回目「→…大丈夫かな?」の続き)
ハヤト:うーん…
クラレット:どうしますか?

     どうしよう?
      →…大丈夫かな?
      →行こう!

 →行こう!
ハヤト:そうだな…よし、二人で行こう!
クラレット:ええ、でしたら明日の朝になったら出かけることにしましょう 

 →そうだな…
ハヤト:そうだな…よし、二人で行こう!
クラレット:ええ、でしたら明日の朝になったら出かけることにしましょう





 
南スラム
ハヤト:それじゃ行こうか?
    そういえば、二人だけで出かけるのって、これが初めてじゃないかな
クラレット:そうですね
      私、あまり外に出るのが好きじゃなくて
ハヤト:ここでの生活にはもう慣れたかい?
クラレット:はい、それなりには
ハヤト:みんなとは仲良くできてる?
クラレット:前よりは話はできてると思いますけど、私が話下手ですから
ハヤト:そっか…
    ここに来る前ってさ クラレットはどんな生活をしてたんだ?
クラレット:どうって…
      別に変わった生活をしていたわけじゃないと思いますけど
ハヤト:いや、さ どんな友達がいたのかなってね
クラレット:…ひとりでした
ハヤト:え?
クラレット:物心ついた時には、もう召喚術の勉強をしていたので
      まわりにいたのは年上の人間ばかりでした





 
荒野
ハヤト:(そういえば俺ってクラレットのこと ほとんどなにも知らないんだよな)

     どうしよう?
      →いろいろ話をしてみよう
      →いろいろ考えてみよう

 →いろいろ話をしてみよう
ハヤト:これから行く場所で、俺たちは初めて出会ったんだよなあ
    あのとき、君が俺の心に呼びかけてくれなかったら、きっと大変なことになってたよ
    本当に感謝してる
クラレット:いえ、私は…大したことは…
ハヤト:あははっ 照れてる、照れてる

 
ハヤトOUT
クラレット:……
      感謝なんか…だって、本当は…

 →いろいろ考えてみよう
ハヤト:(クラレットと最初に出会ったのは、これから行く場所だったよな)
    (バノッサたちにやられていた俺たちを助けてくれて…)
    (俺を元の世界に帰してくれるために、仲間に加わってくれた)
    (だけど…)
    (どうして彼女はあそこにいたんだろう? まるで俺が来ることを知っていたみたいに)
クラレット:どうかしました?
ハヤト:…あ、いや なんでもないよ!
クラレット:そう、ですか…

 
時間の経過
ハヤト:(あれ?)
    (誰か、向こうから歩いてくるぞ)
    (剣士、みたいだな すごく大きな剣を持ってる…)
ラムダ:…?
ハヤト:あ。こんにちは
ラムダ:お前たち こんなところでなにをしている?
    街道なら向こうだぞ
ハヤト:いえ、道に迷ったわけじゃないですよ
    この先にちょっと用があるんです
クラレット:あの(ハヤト)っ!
ハヤト:な、なんだよ…?
ラムダ:…そうか いらぬ世話だったか
    世話ついでに言っておくが、この先には少々物騒な大穴がある
    気をつけることだ
ハヤト:はい、気をつけます

 
ラムダOUT
クラレット:あの(ハヤト)!!
ハヤト:なにを怒ってるんだよ
クラレット:少しは用心をしてください!
      あの剣士が敵だったらどうするつもりです?
ハヤト:敵だなんて…
    あははは、そんなことあるはずないだろ?
    オプテュスの連中たちはともかく、見知らぬ相手に狙われるようなことはしてないぜ
クラレット:本気で、そう思っているんですか?
ハヤト:な、なんだよ…
    それじゃなにか、俺が誰かに狙われてるっていうのか?
クラレット:…ごめんなさい
      私が気にしすぎているだけですよね 忘れてください
ハヤト:(クラレット?)

 
時間の経過
ハヤト:ふう、やっと着いた
クラレット:ええ、さっそく調べてみますね
ハヤト:なにか手伝えることはあるかい?
クラレット:いえ、とりあえずは私ひとりで大丈夫です
ハヤト:そっか…なら、俺は見張りでもしてるよ

 
クラレットOUT
ハヤト:(あまり考えたくないことだけど…)
    (クラレットはやっぱり、なにかを隠してる気がする)
    (だとしたら、さっきの剣士に見せた警戒ぶりもよくわかる)
    (でも…)
    (そこまでして隠す必要があることって、なんなんだ?)

 
クラレットIN
クラレット:お待たせしました
ハヤト:どうだった?
クラレット:やっぱり、私の知識では無理のようです
      …すみません
ハヤト:いや、いいんだよ
クラレット:これからどうします?
ハヤト:少し休んで、それから街へ戻ろう

 
時間の経過
ハヤト:なあ、クラレット
クラレット:はい?
ハヤト:今まで忘れていたことだったんだけど…
    俺がこの世界に呼ばれた時…頭の中に声が聞こえたんだよ
クラレット:声?
ハヤト:誰かが、俺に向かって「助けてくれ」って、呼びかけてきたんだ
    俺がこの世界に呼ばれてきたのは事故だって 君は言うけど…
    なんだか俺、そうじゃない気がするんだよ
    その声の主に呼ばれたから、俺はここに来たと思うんだ…
    あの時の呼び声、あれは、君だったんじゃないのか?
クラレット:…どうしてです?
ハヤト:証明できるものはなにもないけど…
    でも、そんな気がして仕方ないんだ
クラレット:……

 
時間の経過
ハヤト:(あれっきり、クラレットは黙ったままだ)
    (……)
    (やっぱり、このままじゃよくないよ)
    (ちょっと不安だけど、はっきりさせよう!)
    クラレット 本当のことを教えてくれないか?
クラレット:……
ハヤト:あの時、あの場所に君がいたことが
    俺にはどうしても偶然だとは思えないんだ
クラレット:私が…嘘をついているというんですか?
      証拠は、証拠はあるんですかっ!?
ハヤト:…あるよ
    証拠は…君が最初から俺の名前を知っていたってことだよ
クラレット:!!
ハヤト:それだけじゃない
    君は他にも、知らないはずのことをいくつも知っていた
    まるで、ずっと見張っていたみたいに…
    違うかい?
クラレット:…そのとおりです
      あの時、あの場所に私がいたのは偶然なんかじゃないんです
      貴方たちの後をつけていたんですから
ハヤト:どうしてそんなことを!?
クラレット:確かめる必要があったからです
      予期せぬ事故で呼ばれた貴方が、危険な存在なのかどうかを
      あの儀式の生き残りとして、私にはそうする義務がありました
      最悪、貴方を処分するという義務も…

ハヤト:!!
クラレット:貴方は誰に教わることなく【召喚術】を使ってみせました
      それは、貴方のことを危険だと判断する充分な理由でした
      でも…
ハヤト:でも?
クラレット:私には、貴方がどうしても危険な存在だとは思えなかったんです
      貴方の近くで暮らしてみた今では、はっきりと断言できます
      危険なのは貴方の力であって、貴方なんじゃないって…
ハヤト:クラレット…
クラレット:私、決めたんです
      絶対に貴方を元の世界に帰そうって…
      しんじてくれますか?

     どうしよう?
      →…信じるよ
      →……

 →…信じるよ
ハヤト:(知らなかった 俺がそんな立場にいたなんて…)
    …っ!?

 →……
ハヤト:(知らなかった 俺がそんな立場にいたなんて…)
    …っ!?

手下2:へへへ、待ってたぜ お二人さんよォ
ハヤト:お前たち…こりもせず、まだ俺を狙ってるのか!?
手下1:当たりめぇだろ!?
    お前が来てからずっとバノッサの兄貴の機嫌は悪くなるばかりだ
    おかげで俺たちは迷惑しっぱなしさ…
    どうしてくれんだッ!
ハヤト:そんなの、俺の知ったことじゃないだろ!?
手下2:おうおう、そんな口をきいてもいいのかよ?
    たった二人っきりで、俺たちとやりあえるとでも思ってんのか!?
ラムダ:いや、三人だ
ハヤト:…えっ!?
ラムダ:俺も混ぜてもらおう
手下2:なっ、なんだ てめぇはっ!?
ハヤト:さっきの剣士 どうして?
ラムダ:数に任せたやり方は、好きじゃない
    …それだけだ
手下1:ひっ、一人増えただけでどうだってんだ!
    まとめてぶちのめせェッ!!

 
バトルあと
ラムダ:これで、終わりか?
ハヤト:(この人、本当に強い!俺たちなんかとは次元が違う…)
ラムダ:終わりなら、失せろ 命があるうちにな
手下1:ち、ちくしょおっ!!
ハヤト:あの…助けてくださってありがとうございます
ラムダ:礼はいい 勝手にしたことだ それに…
    そこの召喚師は、俺が助けに入ったことが気にくわないらしいしな
クラレット:……
ハヤト:クラレット?
クラレット:私たちのこと つけてましたね?
ハヤト:え!?
ラムダ:ほう、気づいていたか
クラレット:あなたはいったい何者なんです!?
ラムダ:そういうお前たちこそ何者だ
    あのクレーターの関係者なのか?
クラレット:……
ラムダ:まあ、いい 俺にはさほど関係ない話だ
    邪魔したな





 
時間の経過
ハヤト:やれやれ 結局、何の手がかりも見つからなかったか
クラレット:あの(ハヤト)
ハヤト:ん?
クラレット:このまま私を連れて、帰っていいんですか?
      私は、貴方たちに隠しごとをしていました
      それに今だって、まだ知ってることの全てを話したとは限らないんですよ!?

     どうしよう?
      →信じてるから、さ
      →誰だってそうだよ

 →信じてるから、さ
ハヤト:信じてるから、さ
    君が俺を、元の世界へ帰してくれるって約束してくれたことを
クラレット:ハヤト…
ハヤト:信じていいんだろ?
クラレット:は、はい…
ハヤト:なら、それでいいじゃないか

 →誰だってそうだよ
ハヤト:誰だってそうだよ
    隠したいことってさ、誰にだってあるものさ
クラレット:ハヤト…

ハヤト:君が隠してることが気にならないって言ったら嘘になるけど
    それを無理に聞きたいとは思わない
    けど、ひとつだけ約束してくれないか?
    なにもかもを、一人で抱えこまないでほしい
クラレット:
ハヤト:君が俺を助けたように、俺も君を助けたいって思ってるんだ
    レイドも、ガゼルも、エドスにリプレだって同じ気持ちのはずさ
    俺たちは、そのために一緒に暮らしているんだから、さ?
クラレット:…はい
      私、約束します…絶対に…










―夕暮れの荒野で交わした約束―
―今はそれを信じたいって、俺は思ってる―
―秘密を持っているということを自ら認めてくれたクラレット―
―それだけで、今は充分だから―



ハヤト:うーん、今日は大変な一日だったな
クラレット:「今日も」ですよね?
      貴方の側で暮らすようになってから、平穏に終った日なんかないんですもの
ハヤト:ええっ!?
クラレット:ひょっとして…騒ぎの元凶だって自覚してないんですか?
ハヤト:…俺のせい?
クラレット:違うんですか?
ハヤト:……
クラレット:ふふっ、冗談ですよ
      少なくとも私は、自分がこんな日々を過ごせているのが、楽しいと思っているんですよ



―初めてだよな…あんなふうに笑ったの―


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