1話
トリス:ごめんね危ないことばかりで迷惑かけて…
    ハサハにコワイ思いばっかりさせてるね
ハサハ:……
トリス:主人失格かな?
ハサハ:…ねえ
トリス:なに?
ハサハ:失格じゃないよ…あやまるのも…おかしいよ…?
トリス:そう?
ハサハ:…うん おねえちゃんがしたいこと…すればいいんだよ?
     あたしは…ついてくから…
     お姉ちゃんのこと しんじてるから…ついてくの…
トリス:ハサハ…
ハサハ:ね…?
−しんじてる…か そっか…応えないとね その気持ちに−




2話
ハサハ:おねえちゃん…
トリス:ん?
ハサハ:おじいさんたち、いつもどってくるの?
トリス:それは…
ハサハ:はやく、戻ってあげてほしいな…
     だって、おねえちゃん かわいそう…
トリス:きっとすぐに戻ってくるよ!
    きっと…
ハサハ:…(こくん)
−無事でいてね みんな…−





3話
ハサハ:ねえ…どうして、あの人いっちゃったの?
      けんか、したの?
トリス:そうじゃないわ
     あたしとは別に、やることを見つけたから
     別の道に行ったのよ それだけ…
ハサハ:ひとりぼっち…
      さみしくないのかな?
トリス:そうね…
ハサハ:ハサハは…いやだな…
     ひとりぼっちは…いやだな…
−あたしは気づいてるの この子が心配してるひとりきりってことの重さを…





4話
トリス:ハサハ ずっと街を歩き回って疲れたでしょ?
ハサハ:…(ふるふる)
トリス:(しかし、これだけ探しても見つからないってことを考えると
     ミニスには悪いけどペンダントはもう見つからないかも知れないわね)
ハサハ:…みつかるよ
トリス:え?
ハサハ:もどってくるよ だって、あのこ…
     なくしたもののこと いっぱい、いっぱい想ってるから
トリス:ハサハ…
ハサハ:想っていればね お願いは、かなうの
     ハサハもそうだったからわかるの…
     人間になりたいって ずっとずっと想いつづけてこの姿になれたから
トリス:そっか…
    そうね まだあきらめるのは早いわよね?
ハサハ:…(こくん)
−ハサハがそう言うと、信じたくなるのよね 不思議と…−





5話
ハサハ:おねえちゃん…これ…
トリス:へえ、きれいな花の首飾りじゃない
ハサハ:みんなといっしょにつくったの
     ほら…いいにおい…
トリス:ほんとだ 
    とっても柔らかくて ほっとするような香りがするわね
ハサハ:おひさまのにおいだよ それ…
トリス:そっか、だから元気がわいてくる気がするのね?
ハサハ:……
     これ、おねえちゃんにあげるよ…
トリス:えっ?
ハサハ:だって、おねえちゃん悪いひとたちがやってきたせいで
     ゆっくり、おやすみできなかった…だから…
     おひさまのにおいで元気だして…ね?
トリス:ありがとうハサハ
ハサハ:また…みんなで、あそこにいこうね…
トリス:ええ、そうね
    その時はもっともっとハサハと遊びましょう?
ハサハ:…(こくん)
−ああいう時間がもっと普通にもてるように、早くなるといいんだけど…−




6話
トリス:あの霧に包まれた時は焦ったのよ
    ほらハサハは背が低いからはぐれるんじゃないかって、心配したわ
ハサハ:…ありがとう
     でもね…だいじょうぶだよ だって…
     あれは…ハサハのしってる霧だったもの
トリス:えっ?
ハサハ:あれはね…シルターンの霧…
     とおしたくない人だけめかくしするの
トリス:(それって、一種の結界ってこと!?)
ハサハ:ハサハすぐにわかったの
     とおしてくれるって聞こえたから…
     だからねちっとも、こわくなかったよ?
トリス:そっか…
    (てっきり、先輩たちの仕業だって思っていたけど…)
−いったい、誰があんなものを作り出したんだろう?−




7話
トリス:ハサハ 前から聞きたかったことなんだけどね
ハサハ:…?
トリス:貴方が持っているその水晶玉は、どういうものなの?
ハサハ:これはね…ほうぎょく…
トリス:宝玉?
ハサハ:(こくん)
     ハサハのまりょくはね、みんなこの中にあるの…
     おねえちゃんたちとおんなじ姿でいられるのも…
     ほうぎょくのおかげなんだよ?
トリス:へえ…
−それだから、いつもしっかり両手でかかえているんだ−




8話
トリス:ねえ、ハサハ どうしてレイムさんをこわがったの?
ハサハ:……つれて…いっちゃうから…
トリス:え?
ハサハ:おねえちゃんを…つれてっちゃうから だから…
     ハサハなかよくしたくない あいつと…
トリス:あいつ…って その言い方は、あなた変よ?
ハサハ:…(ふるふる)
トリス:いい?ハサハ そりゃ、レイムさんは吟遊詩人で、旅人よ
    あんな風に気ままに暮らしたいってあこがれる気持ちはあたしにはある
    でも、だからってあたしがみんなと別れてあの人についてくはずがないじゃない
ハサハ:…ほんとに?
トリス:当たり前よ あたしはずっとハサハの傍にいるわよ
ハサハ:やくそく、だよ?
−ハサハはレイムさんに、あたしをとられると思ってたみたいね…−




9話
ハサハ:いいひとだよね?あの、おねえちゃん
トリス:どうしてそう思ったの ハサハ
ハサハ:ここの、みんながそういってたの…
トリス:みんなって、家にいた召喚獣たち?
ハサハ:…(こくん)
     ご主人様はそそっかしくてだらしなかったりするけど…
     かぞくみたいにみんなに、やさしくしてくれるって…
トリス:へえ…
ハサハ:ハサハにはわかるよ?だって…
     おねえちゃんもおんなじ、だもん…ね?
トリス:そっ、そう?
ハサハ:…(こくん)
−…ところで同じなのはどこからどこまでの部分だったのかしら???−




10話
トリス:カイナさんの格好 あれもやっぱりシルターンの着物よね?
ハサハ:…(こくこく)
    ハサハやケイナおねえちゃんとおんなじ…
トリス:うん、特にケイナとは色までそっくりだった
    なにか、意味があるのかしら?
ハサハ:…みこさん
トリス:え?
ハサハ:あれは、みこさんのきものだよ…
トリス:みこさんって、なに?
ハサハ:だから…みこさん、だよ?
トリス:だから…???
−むうぅ、言葉の意味がわからないって時点でおてあげかも…−




11話
ハサハ:かわいそう…だったね…
トリス:ええ、約束を裏切られて…
    死んだ砦の人たちもシャムロックさんもすごく無念だと思う
ハサハ:ちがうの…
     ハサハがいってるのは…あのひとのこと…
トリス:ひょっとしてルヴァイドのこと?
ハサハ:…(こくん)
     あのひと…なんにもいわなかったけど…
     すごく、かなしんでた やくそく…まもれなくて…
     ハサハにはわかるの…
     きょうのあのひとは つめたいかげじゃなかったから…だから、わかるの
トリス:ハサハには悪いけど…
    あたしには、とても信じられない
    だって、あいつはあたしたちの前で、レルムの村を焼き払ってみせたのよ…
ハサハ:……
−あんな虐殺をした男が今さら、そんなことで悲しむはずなんてあるのかしら?−




12話
トリス:ハサハは鬼と会ったことがあるの?
ハサハ:うん、あるよ…
     いい、おにさんとなら
トリス:いい鬼???
ハサハ:…(こくん)
     きじんさま、っていうの…
トリス:鬼神さま…
    それって、もしかしてカイナが仕えてるっていう…!?
ハサハ:…(こくん)
     きじんさま、やりゅうじんさま、はおこらせるとこわいけど…
     ふだんは、とてもやさしいの
     ハサハみたいなようかいたちにも…にんげんにも…
トリス:へえ…
ハサハ:おねえちゃんにわるさをしたのは ちがう、おに…
     いっしょにしちゃだめだよ…ね?
−なんにでもいいヤツと悪いヤツがいるってことね





13話
ハサハ:おまつり?
トリス:ええ、一緒に見物に行かない?
ハサハ:…(こくこく)
トリス:よ〜し、それじゃ支度をしなくちゃね
ハサハ:ハサハもう、できてるよ?
     これ…おまつりの、服なの
トリス:へえ、そうなの?
ハサハ:うん…でもね、いくのははじめてなの…
     いままでは、ずっとみていただけだから
     だから…すごくたのしみだよ おねえちゃん
 
 街中

ハサハ:…(ぺろぺろ)
トリス:おいしい?ハサハ
ハサハ:うん…とっても、あまいよ
     おねえちゃんはいいの…?
トリス:ええ、あたしはいいの
    (さすがに、棒つきキャンディーなめては歩けないわよね この歳じゃ…)
    それより、ほら口の周りがベタベタになってる
ハサハ:あ…
トリス:食べ終わったらちゃんと拭くのよ
ハサハ:…(こくん)
トリス:それにしても、また一段と人が増えてきたみたいね…
トリス:(これだけの人手だとはぐれたら、本当に大変なことになるかもしれないわね?)
     
     どうしよう?
      →よく言い聞かせる
      →手をつないでやる

 よく言い聞かせる
トリス:ハサハ迷子にならないように気をつけるのよ
ハサハ:…(こくん)
     でも…はぐれても、もうへいきだよ?
トリス:…え?
ハサハ:だって…ハサハおねえちゃんならみつけられるもん
     ずっと、いっしょにいたから…おねえちゃんのかんじおぼえちゃったの
     だから…しんぱい、しないでね?
トリス:え、ええ…
    (いつまでも子供だと思ってたけどハサハも日に日にしっかりしてきてるのね…)

 手をつないでやる
トリス:ほら、手をつなごう
    はぐれると大変よ?
ハサハ:…(こくん)
     おねえちゃんの手おっきいね…
     それに、とってもあったかくって…ハサハすきだよ…
トリス:(そう言えば、手をつないでやるのってこれが初めてかもしれないわね?)
    (今までは、ずっとあたしの服のすそにしがみついてばかりだったし…)
ハサハ:ねえ、あれはなに?
トリス:どれどれ…?
ハサハ:ほら、こっちだよ ほら…

 銀沙の浜
ハサハ:わあ…
トリス:ハサハはたしか、花火は見たことあるのよね
ハサハ:うん…でも、こんなにたくさんあがるのははじめて…
     きれい…
トリス:歩くのにも疲れたしちょっと休憩しようか
    ほらハサハも座りなさい?
ハサハ:うん…
トリス:…って、こら?そこはあたしの膝の上よ…
ハサハ:ハサハここが、いいの…
トリス:もう…しようがないわね ハサハは
ハサハ:……
     きょうだけ…だから…
トリス:えっ?
ハサハ:あまえるのはきょうだけだから…
     あしたからは、いい子にするから…
     おねがい…
トリス:(もしかしてハサハはこの先の旅がもっと大変だって知ってて)
    (それで…こんな風に…)
    わかったわハサハ
    今日だけよ?
ハサハ:…(こくん)




14話
ハサハ:よかったね おねえちゃん…
     おじいさんとなかなおり…できて…
トリス:ええ、これでひとつ心配事が消えたわ
ハサハ:でもね…
     おじいさんは、まだつらそうだよ…
トリス:え?
ハサハ:あのひと…じぶんのせいっておもってる…
     ハサハたちがたいへんだったのも むらのひとが、ひどいめにあったのも 
     ぜんぶ…じぶんのせいだっておもってるよ…
トリス:まあ、たしかにアメルを連れて逃げたことであたしたちは今回のことに関わったけど
    村が襲われたのはお爺さんには関係のないことじゃ…?
ハサハ:おねえちゃん…
     おじいさんをたすけてあげて…
     おじいさんのこころこのままじゃ、きっとつぶれちゃうよ だから…
     たすけてあげて…
−きっとまだ、あたしたちの知らない秘密をお爺さんは抱えこんでいるのね…−


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