16話
ハサハ:ひらいてくれたね?おねえちゃんの…こころ…
トリス:ハサハに叱られちゃったしね
ハサハ:ごめんね…
トリス:え?
ハサハ:うそだから…
ハサハがおねえちゃんのこときらいっていったのうそだから…
ハサハをきらわないで…
トリス:わかってるわよ そんなこと?
あたしはあんなことでハサハを嫌いになったりしないわよ
ハサハ:おねえちゃん!
トリス:…きゃっ!?
ハサハ:おねえちゃん…だいすき…
−ええ、あたしもハサハが大好きよ…−
17話
トリス:ハサハが最初から、あの人が苦手だったのはこのことに、気づいてたからなの?
ハサハ:…(ふるふる)
トリス:え?違うの?
ハサハ:ハサハむつかしいこと…わかんない…
でも…
あいつとはじめてあったとき…
まっくろだった…
トリス:真っ黒?
ハサハ:…(こくん)
ハサハ:まっくろで…まっくらなの…
ふかい、ほらあなみたいに…
なんいもみえなくてこわかった…だから…!
トリス:わかったわハサハ
もう、無理に話したりしなくていいから
ハサハ:…いかないでね?
おねえちゃん…っ あいつに、ついていかないでね…?
トリス:うん、約束するわ 絶対ついていかない
ハサハ:…(ぎゅっ)
−ハサハがこんなに怖がるなんていったい…?−
18話
ハサハ:ハサハね きょう、はじめてわかったよ…
くらいかげだっておもったのは
あのひとが…こころ、とざすためにつくったもの…
つめたいってかんじていたのは
あのひとの中からあふれだしてきてるつらい、きもちだったの…
トリス:そっか…
ハサハ:でも、それじゃダメだよ…
こころをとざしたらなにも、みえなくなる きこえなくなるの
トリス:前に、あたしがなりかけたあの状況と同じってこと?
ハサハ:…(こくん)
だれかが、ひらいてあげなくちゃダメなの
そうじゃなきゃあのひと、ほんとうにくらくて、つめたいかげになっちゃう
のみこまれちゃうよ?
ハサハはそんなの、イヤだよ おねえちゃん…
トリス:ハサハ…
−どうすれば、黒騎士にそれを気づかせることができるのかしら?−
19話
ハサハ:あのひとたちも…まっくろだったよ
こころが、まっくろでこわかった…
トリス:キュラーたちのことを言ってるの?
ハサハ:…(こくん)
トリス:ハサハはそうやって、人の心がわかるみたいだけど
それって、どうやって見わけるの?
ハサハ:ほうじゅを透かすとね みえるの…
そのひとのむねにとびらがあって…
そのなかに、いろんな色があって…
その色で、こころがわかるんだよ?
トリス:へえ…
ハサハ:でも、ふつうはとびらしまっているから いつでもみえるわけじゃないよ…
おねえちゃんは…べつだけど…
トリス:へっ!?
ハサハ:おねえちゃんのこころ さいしょから…とびら、あいてたよ?
そこから、みえた色ハサハのすきな色だった
シルターンのそらの色 あおくて、やさしいきれいな色…
だから…
おねえちゃんについてきたの
トリス:ハサハ…
−空の色、か…いつまでもそんな心を持ち続けられたならいいんだけど…−
20話
ハサハ:あくま…だったんだね…
トリス:ええ、正直なところ思いもしなかった
人間じゃなかったなんて…
ハサハ:だから…みえなかったんだ
こころ…まっくらだったんだ
トリス:……
ハサハ:どうするの…おねえちゃん?
あくまがあいてでもこわくないの?
トリス:こわいわ…だけど、あたしは戦う
ほっておくことなんてできないから
ハサハ:…(ぎゅっ)
トリス:ハサハ?
ハサハ:ハサハもいっしょだよ?
おねえちゃんと…いっしょだよ…
トリス:ええ、わかってる ずっと、一緒よ?
ハサハ:…(こくん)
−終らせなくちゃね この子のためにも絶対に…−
21話
ハサハ:たすけてくれたんだね あの、きかいのひと
みんなを、たすけるために…しんじゃったんだね
トリス:うん…
だけど、あたしは自爆なんてしてほしくなかったよ
犠牲になんてなってほしくなかった
ハサハ:おねえちゃん…
……
すまない、っていってた…
トリス:え?
ハサハ:いままでのこと これからのこと まかせてしまってすまない、って
あのひとのこころ そういってたよ
トリス:ゼルフィルドに…心…?
ハサハ:(こくん)
あのとき、はじめてハサハにみえたの…
まじりけのない すきとおったこころ
だから、いままできづかなかっただけ
トリス:……
ハサハ:あのひと…じぶんのいままでにまんぞくしてた
だから、おねえちゃん もう、かなしまないで
トリス:ハサハ…
ハサハ:あのひとも、きっとそれじゃかなしいよ?
トリス:うん…
−あの瞬間、彼は機械兵士ではなく人として散っていったのかもしれない−
22話
トリス:これでもう、本当に後戻りはできなくなっちゃったね
ハサハ:…(こくん)
トリス:メルギトスたちを倒すだけの力が、あたしにあるとは思えないけど
でも、あたしにはハサハやみんながいてくれる 信じてくれてる
せめて、その期待に応えるだけのことはしてみせるから
ハサハ:だいじょうぶだよ
おねえちゃんは…きっと…勝つよ?
まけたりなんか ぜったい、しないもの
トリス:ハサハ…?
ハサハ:ハサハにはわかるの
あのひとにないもの
おねえちゃん たくさん、もってる
あったかくて、つよいちから、もってるから だからね、まけないの
ほんとだよ?
トリス:…そう、ね
ハサハはウソつかないもんね?
ハサハ:…(こくん)
ハサハおねえちゃんがすき
やさしくてあったかいから、だいすき…
トリス:あたしもよ
ハサハは側にいてくれると なんか、ほっとする
すごく優しい気持ちになれる気がするんだ
ハサハ:おねえちゃん ハサハとケッコンして?
トリス:へ?
ハサハ:ケッコンすれば ずっと、いっしょにいられるんでしょ?
ハサハ おねえちゃんとずっといっしょに、いたいから…
トリス:…わかったわ ハサハ
ケッコンしましょ?
あたしたちが、ずっと一緒にいられるように
ハサハ:それじゃ…ゆびきり、して?
トリス:…こう?
ハサハ:ゆびきり、げんまん うそついたらはりせんぼん…
ずっと、ずーっといっしょにいようね?おねえちゃん…
ED
自室
ハサハ:おね…きて…だよ…
トリス:ん…
ハサハ:…よ…さだよ ね…!?
トリス:ん、んん…???
ハサハ:…ねえちゃん おねえちゃんてば!
トリス:ふぁ…?おふぁよぉ…っ ハサハ…
ハサハ:もう…やっと、おきた…
ハサハさっきから、ずっとよんでたのに…
あさごはんだって はやくしないと、またアメルおねえちゃんにしかられるよ?
トリス:へっ!?
応接室
アメル:もぉ…トリスもハサハちゃんもねぼすけなんだから
せっかく焼きたてのパンだったのに冷めちゃいましたよ
ハサハ:ハサハは…ちゃんと、おきたよ
トリス:はいはい…どーせ、あたしがみんな悪いんですよーだ
ネスティ:だからといって開きなおればいいというものでもあるまい
どうだろう、アメル 寝坊の罰として朝食を抜くというのは
アメル:あ、なるほど…
トリス:ちょ、ちょっとっ それって、シャレになってないってば!
ねえ、アメルぅ…勘弁してよぉ
アメル:どーしようかなぁ?
ハサハ:それは…ちょっと、かわいそうかも…
アメルおねえちゃんゆるしてあげて おねがい…
アメル:ふふふっ、それじゃあ今日のところはハサハちゃんに免じて…ね
トリス:やりぃーっ!!
ネスティ:ハサハに感謝しておくんだぞ トリス
トリス:うんっ!うんっ!ありがとねハサハっ♪
ハサハ:…(こくん)
ネスティ:食事が済んだら昨日のおさらいとして試験をするからな
トリス:いっ!?
ネスティ:戦いで学んできた君の召喚術は、技術だけが先行して、理論を無視してるからな
この機会に、みっちり追いついてもらわなくては、困るんだ
トリス:むう…っ
ハサハ:おべんきょう…ハサハもいっしょにするよ
アメル:じゃあ、あたし お勉強が終わるまでにおいものケーキ焼いておきますね
ネスティ:ありつけるかどうかは試験の点次第だがな
トリス:(あちゃあ…っ)
ハサハ:(ぽむぽむ)
…がんばろうね
自室
トリス:しかし、ネスも毎日毎日、ひどいと思わない?
戦いが終わってみんなで暮らし始めてから、ずっと勉強づけなんだもの
ハサハ:しかたないよ…うん…
ネスティおにいちゃん ひっし、なんだよ おねえちゃんのことつよくするために
きっと、また…やってくる…
あいつに、まけたりしないように…
トリス:うん…わかってる、それは
あの最後の戦いでメルギトスは倒すことが出来たけど…
リィンバウム中にばらまかれてしまった原罪までは、消し去ることはできなかった
ハサハ:あいつ、わらってた じぶんは、なんどでもかえってくるって
みんなのこころがよごれているかぎり なんどでも…
トリス:それは、今日かもしれないし明日かもしれない
ううん…もう、すでに復活して新たなかん計を巡らせているのかも…
ハサハ:…(ぎゅっ)
だいじょうぶだよね だって、みんなここにいるんだもの
いつかきっと…あいつも、かえってこれなくなるよね
トリス:ええ、そうね…
強くならなくちゃ あたしたちが、今度こそ全てを終わらせなくちゃね
ハサハ:(こくこく)!
トリス:その時には、また頼りにさせてもらうわハサハ
ハサハ:うん…ハサハはおねちゃんとずっといっしょだよ
−だってゆびきりしてケッコンしたんだから…ね?
「おひるねすきだよ」
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