16話





 広間
エドス:これで4つのエルゴが揃ったわけだ
ミモザ:ハヤト(キミ)が誓約者になる準備ができたわけね
ガゼル:よっしゃ、だったらさっさとそいつを済ませちまえよ
ハヤト:う、うん…
エルジン:難しく考える必要なんかないよ
カイナ:心を澄まして、エルゴたちに呼びかけてみてください
ハヤト:……
     …!!





 
異空間
エルゴ1:よくぞ、我らの試練を果たしてのけた 見事だったぞ
エルゴ3:我らはお前を誓約者として認めよう
ハヤト:エルゴたちよ それなら、早く結界を張り直そう!
エルゴ2:わかっている しかし、今の状態ではそれはできない
ハヤト:どうして!?
エルゴ4:我らの予想以上の速さで、結界がほころびていこうとしている
エルゴ3:強大な力が、内側から結界を破壊しようとしているのだ
エルゴ2:その力を発しているのは、お前も知っているあの男だ
ハヤト:バノッサ…
エルゴ4:この力を止めなければ新たな結界を作ることはできぬ
ハヤト:魅魔の宝玉を取り返すのが先だってことか
     わかったよ まずはバノッサから宝玉を取り戻そう!





 
広間
レイド:魅魔の宝玉の力が、そこまで強いものだとはな…
ギブソン:いや、むしろバノッサが宝玉の力をここまで高めたのだろう
ジンガ:でも、なんでバノッサは結界を壊そうとしてるんだ?
ペルゴ:意識して壊しているのではないのでしょうね
     悪魔を召喚することが結果としてこうなっているだけです
セシル:…おかしいわね
ハヤト:え?
セシル:黒装束の召喚師たちは結界のことに気づいていないのかしら?
ラムダ:いや、むしろ俺には知っていてバノッサの好きにさせているように思える
ローカス:待てよ
      それじゃ、黒装束たちは結界を壊そうとしてるっていうのか?
      そんなことして何の得があるんだ!?
ハヤト:そうだよ
     結界が壊れたら、この世界が滅びるかもしれないっていうのに
クラレット:滅ぼす気でいるとしたら?
ハヤト:…!?
ギブソン:馬鹿な…いくらなんでも…
ガゼル:ケッ!奴らが何を企んでいようが、宝玉を取り返せば問題ねえさ
     早いとこ、バノッサのいる城内へいこうぜ!!

 
自由行動
 城門前にてバトル後
 城内謁見の間

バノッサ:クックック…ようこそ、俺様の城へ
ハヤト:バノッサ…
バノッサ:この前はおかしな邪魔が入って、うまいこと逃げられちまったが
      今日はそういうわけにはいかねェぜ?はぐれ野郎!
ハヤト:宝玉を返すんだバノッサ
     その宝玉の力は、お前が思っているより危険なものなんだ!
バノッサ:世界が滅びるってか?
ハヤト:!?
バノッサ:知ってるさ…俺様にこの玉をよこした野郎が、そう言ってたからなァ
ミモザ:知っていて どうして!?
バノッサ:別にいいじゃねェか?
      この世界が滅びようが俺様には関係ねえッ!
      滅びちまえばいいだろうがッ!
ガゼル:お前、わかってんのか
     世界が滅びちまったら お前の居場所だって、なくなるんだぞ!?
バノッサ:いらねェよ…
      俺様にふさわしい場所は、この次の世界に用意されてるからなァ
ハヤト:次の世界?
バノッサ:ククククッ この世界が滅びた後の世界さ…
      俺様はそこで王になる 誰よりも強い力を手にした、最強の王に!
      俺様は選ばれたんだ
      あの連中が作り出そうとしてやがる、新たな世界の王になァ!!
エドス:バノッサ…そこまでして、お前は力が欲しいのか?
バノッサ:居場所のある手前ェにはわからねェよ エドス…
エドス:違う!お前にだって居場所はあったはずだ!
バノッサ:俺様の欲しかったものじゃねェッ!
      召喚師の血を引く俺様が、あんな薄汚い場所にいられるかよッ!!
ハヤト:召喚師だって…?
バノッサ:クククッ、そうよ
      俺様の父親は召喚師さ
      もっとも、顔も名前も知らねェがな…
      捨てられさえしなけりゃ、俺様は召喚師の子として生きているはずだったのさ!
      それが、俺様の本当の居場所になるはずだったんだ!!
レイド:だから、貴様はハヤト(彼)を目の仇にしていたのか
バノッサ:あァ、そうさ 俺様はそいつが許せなかったんだよ…
      俺様が手に入れるはずだった力を持っていた手前ェが、許せなかったんだッ!!
ハヤト:バノッサ…
バノッサ:殺してやるぜ はぐれ野郎
      手前ェを殺して、俺様は王になる!!

 
紫の光
ハヤト:うおぉぉぉっ!!
 
白い光
ギブソン:い、今のは?
エルジン:エルゴだよ…
     エルゴの力が、誓約者を守っているんだ
ハヤト:お前の力は俺にはもう通じないぞ バノッサ
     手遅れにならないうちに、宝玉を返すんだ!
バノッサ:うるせェェェッ!!

 
バトル後
バノッサ:なぜだ!なぜだ!なぜだあァァァッ!!
      なぜ俺様が負ける!? なぜ宝玉の力が通じないんだッ!?
オルドレイク:とり乱すのではない バノッサよ
      
 
オルドレイクIN
オルドレイク:我らの王となるお前がこれしきのことでとり乱してどうする?
バノッサ:オルドレイク…
オルドレイク:負けて悔しいのならば その憎しみを宝玉へと注ぐがいい
        それが宝玉の力を高め お前を強くする
        私はそう教えたはずだ
バノッサ:あ、ああ…
オルドレイク:ここは私に任せよ
        今のお前では、この者たちの相手は無理だ
カノン:バノッサさん!
バノッサ:くっ…
エドス:待つんだ、バノッサ!
ラムダ:貴様が、黒装束たちの親玉か?
オルドレイク:いかにも…
        我が名はオルドレイク セルボルト家の当主
エドス:お前がバノッサをそそのかしたのかっ!!
ハヤト:よせっ、エドス!
 
黄色の光
エドス:ぐあぁっ!!
オルドレイク:愚かな真似はよせ 次は手加減せぬぞ
エドス:ぐうぅ…っ
イリアス:貴様の目的はなんだ オルドレイク!?
オルドレイク:この世界を滅ぼし、新たな世界を作り出すことだ
ギブソン:馬鹿な!そんなことが人間の力でできるはずがない!
オルドレイク:フフフフ…たしかに人間の力では不可能だろう
        だが、悪魔の力ならばどうだろうかな?
ギブソン:なんだと…
オルドレイク:この世界を滅ぼすのは我らではない
        我らによって召喚される、サプレスの魔王がその役目を担うのだ
ミモザ:魔王ですって!?
オルドレイク:貴様らも召喚師ならば知っておるだろう?
        サプレスの悪魔たちを支配する者のことを
        我々はそれを召喚することができるのだ
ギブソン:でらためを言うな!
オルドレイク:でたらめではない
        我らは何年もかけて、そのための準備をしてきたのだ
        それに、失敗はしたが一度はその儀式を実行しておるのだよ
        そうであろう?我が子よ
ハヤト:えっ!?
クラレット:……
オルドレイク:答えよ クラレット!?
クラレット:そのとおりです父上…
ガゼル:うそだろ…?
ハヤト:(クラレットがオルドレイクの子供だなんて…)
オルドレイク:嘘ではない
        クラレットは魔王召喚の儀式の最高責任者だったのだ
        サプレスのエルゴの力を使って、魔王を呼ぶための儀式のな
ミモザ:じゃあ、サプレスのエルゴが失われたっていうのは!?
オルドレイク:儀式が失敗したせいだ
        つくづく、惜しいことをしたものよ
カザミネ:何もかもが、お主たちの仕業だったのか!!
オルドレイク:フフフフ、お前たちに我らの崇高な目的など理解できまい
ハヤト:なにが崇高な目的だっ!
     お前たちの勝手で、この世界を滅ぼされてたまるものか!!
 
白い光
オルドレイク:おお…なかなかの力だな
        クラレットよ これがお前の言っていた【魔王の力】というわけか
ハヤト:!?
オルドレイク:ほう、まだ気づかずにいたのか?
        お前の使っている力がサプレスの魔王の力の一部だということを
ハヤト:なんだって…
オルドレイク:ハヤトよ お前は誓約者などではない
        偶然、魔王の力の一部を受け入れてしまっただけの存在…
        いわば、出来損ないの魔王なのだ!
ハヤト:うそだっ!!
オルドレイク:ならば、お前のその力はなんだというのだ?
        お前は魔王よ…だからこそクラレットはお前に近づいたのだ
        お前が我らの役に立つ存在かどうかを見極めるためにな
ハヤト:本当なのか!?クラレット
クラレット:……
オルドレイク:クラレットよ この者たちの始末は、お前に任せよう
        儀式を失敗した罪を償って、我らの下へと帰ってくるのだ
        フフフ、楽しみに待っておるぞ…
ハヤト:なあ、嘘だろう?
クラレット:
ハヤト:あいつが言ってたことは全部、デタラメなんだよな?
クラレット:……
ハヤト:答えろよ クラレット
     違うって…言ってくれよ…


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