18話
広間
レイド:みんな、覚悟はいいか
ガゼル:ケッ、今さらそんなの聞くまでもねえよ
エドス:しかし、ワシらが全員ここを離れても大丈夫だろうか…
ペルゴ:今の彼らは魔王を召喚する儀式を最優先にしているはずです
ラムダ:守りを固めて、俺たちを待ちかまえているのが関の山だろう
サイサリス:生き残った騎士たちにも、警戒するように指示を出しました
ミモザ:蒼の派閥の召喚師たちだって、来てるしね
イリアス:あとは一刻も早く、自分たちが決着をつけるだけです
ハヤト:よし、それじゃあ出発しよう!
自由行動
迷霧の森
ジンガ:薄気味の悪い森だな
空気はよどんでるし、木もほとんど枯れてる
スウォン:ひどい…
クラレット:悪魔を呼び出す実験を続けてきたせいです
森そのものが、悪魔の力で歪んでいる…
そう言えば、わかりやすいでしょうか…
ローカス:くわしいな?
クラレット:私は…この森で召喚術を学びました
当たり前ですね…
魔王を召喚する儀式の準備は、ここで行われてきたんですから
きっとまた…儀式はここでおこなわれるはずです
スタウト:どうやら…大当たりのようだぜ?
ハヤト:…!!
シオン:囲まれたようですね
ジンガ:くそっ…この森のせいで、気配が読めなかった!!
ローカス:黒装束に、悪魔どもか 大層な歓迎だぜ
エスガルド:!!
バトルあと
セシル:こいつら…次から次へとわいて出てくる!?
カイナ:私たちが倒すよりも、新しい悪魔が召喚されるほうが早いんです
アカネ:それって、キリがないってコト!?
モナティ:ま、マスターっ…
エルジン:このままじゃ、ボクらの体力がもたないよ!
ハヤト:(くそっ…どうすればいい!?)
→ 魔王EDは此処から
爆音
ハヤト:…!!
ミモザ:今のは、召喚術!?
イムラン:フハハハハハッ!
様子を見にきてみれば案の定だな平民ども!
ハヤト:イムラン・マーン!?
イムラン:呼び捨てにするな! イムラン様、だッ!!
キムラン:んなこと言ってる場合じゃねえだろう、兄貴
カムラン:そうですよ 私たちはケンカをするために来たのではありません
レイド:マーン三兄弟 どうしてお前たちが、ここに?
キムラン:この前の借りを返しに来たのさ…
カムラン:貴方たちのおかげで、領主様を無事に逃がせたのですからね
イリアス:しかし…
イムラン:フンッ、心配せずとも領主様の許可は頂いているわ
それに、貴様ら平民に借りを作ったままではどうにも目覚めが悪いのだッ!
ガゼル:おっさん…
カムラン:さあ、ここは私たちに任せてください
キムラン:とっとと行って、あの生意気な小僧をぶちのめしてきやがれ!
ハヤト:イムラン、キムラン、カムラン…
ラムダ:奴らの気持ちを無駄にするな…
行くぞ!ハヤト
ハヤト:ありがとう マーン三兄弟!!
キムラン:さァて…おっぱじめようか?
カムラン:華麗なる、我ら三兄弟の実力を…
イムラン:いやというほど思いしらせてくれる!
召喚儀式場
カノン:やっぱり、来てしまったんですね?
ハヤト:カノン…
カノン:ハヤトさん ボクはあなたにだけは来てほしくなかった
あなたは…バノッサさんを追いつめてしまう人だから
ハヤト:俺が、バノッサを?
カノン:あなたはバノッサさんが欲しいと望んだものを全てを持っている
だから、あなたを見るとバノッサさんの心はかき乱されてしまう
それに耐える力を求めて、あの人は宝玉へとすがってしまう…
歪んだ道へ進んでいってしまうんです
引き返してください! ここから今すぐに!
じゃないとバノッサさんは…ボクは…
本当にあなたのことを殺さなくちゃならなくなってしまう!!
ガゼル:ケッ! 黙って聞いてりゃあ、好き勝手なことぬかしやがって…
自分たちの心の弱さを棚に上げて、こいつに責任を押しつけるんじゃねえよ!!
ハヤト:ガゼル?
エドス:カノンよ お前さんの理屈は間違ってる
欲しいものを手にするには、自分が変わらなくてはならん
それをしなかったのは誰だ?
カノン:……
ハヤト:カノン、俺は前にも君に言ったはずだ
俺たちは、バノッサを苦しめたいんじゃない 助けたいんだ!
君にならわかるだろう カノン!?
バノッサ:哀れみのつもりかよ はぐれ野郎?
この俺様に救いの手ェ差し伸べて、優越感にひたるってのかよ!?
カノン:バノッサさん…
クラレット:バノッサ! あなたはだまされています…あの人に…
バノッサ:なにィ?
クラレット:召喚の儀式が成功すれば、あなたの意識は魔王に食われてしまいます!
あなたは、魔王召喚の道具として利用されているだけなんです!
バノッサ:クククク… 関係ねぇなァ?
クラレット:…!?
バノッサ:俺様が魔王に食われようが、食われまいが、同じことなんだよ
この世界を滅ぼすことが、今の俺様の望みなんだからなァ…
ハヤト:なんだって!?
バノッサ:どうせこの世界には、俺様の居場所なんてものはねェんだ…
どれだけ望んだって、俺様が欲しかったものはもう手に入らねェ
だったら、何もかもブッ壊してやる!
世界も、手前ェらも、俺様自身もッ!!
ハヤト:バノッサ お前、そこまで…
エドス:ハヤト もう、いい
ハヤト:エドス?
エドス:今のあいつには、ワシらの言葉は届かない ただ、できることは
力づくで、止めてやることだけだ…!
バトルあと
バノッサ:殺せよ…
世界を救うんだろう? だったら、俺様を殺して奪いとれよッ!!
ハヤト:……
バノッサ:できねェのかよ
自分の手を汚すことがこわいのかよッ!?
ハヤト:そうじゃない!
お前から宝玉を奪えば世界は救われるさ
だけど、それじゃお前が永遠に救われない!
バノッサ:…!!
ハヤト:世界も、お前も俺は救いたいんだよ
だから、お願いだ 宝玉を渡してくれ
お前自身の手で俺に渡してくれ…
バノッサ:……
カノン:バノッサさん もう、よしましょう
バノッサ:カノン!?
カノン:ボクはあなたに拾ってもらった時、最後まであなたの側にいることを誓いました
どんな道であろうと、あなたが望むところへついていこうと思ったんです
あなたの側だけが、ボクにとっての居場所だったから…
だけど、もうこれ以上は黙ってられません!
バノッサさん ボクは、あなたを失いたくない!!
他の誰がなんと言おうと、あなた自身が自分を不要だと思っても
それでも…ボクにはあなたのことが必要なんです!!
バノッサ:カノン…
エドス:バノッサよ もうこれ以上、自分を憎むのはよすんだ
ここにお前の居場所はちゃんとあるんだ! お前の価値を認めてくれる人がいるんだ!
あとは、お前がそれに気づくだけなんだ!!
カノン:バノッサさん!
バノッサ:お、俺は…
オルドレイク:バノッサよ お前は本当にそう思うことができるのか?
ハヤト:オルドレイク!?
オルドレイク:仮にその者たちの言葉が真実だったとしても もう手遅れだ
お前がしてきたことをよく思い出してみるがいい!
バノッサ:…!!
オルドレイク:街を焼き、城を焔とし人々を魔物に襲わせたのは誰だ?
お前ではないか!?
バノッサ:あ…ああっ…!?
オルドレイク:バノッサよ お前はもう、引き返せないのだ…
カノン:そんなことはない!!
たしかにバノッサさんは多くの間違いを犯してきたかもしれない
だけど、間違いは正すことができるんだ!
もうこれ以上、あなたにバノッサさんの心を自由にはさせない!!
オルドレイク:目障りだな…
消えるがいい!
召喚術の発動
カノン:…ぐあぁっ!!
ハヤト:カノン!?
カノン:バ…ノッ…さん…
バノッサ:カノン…?
目を開けろッ!? カノン!カノン!?
カノォォォォン!!
オルドレイク:クククク…バノッサよ、これで本当にお前の居場所はなくなったな?
ハヤト:なんてことを…
バノッサ:イヤだ…
もう…イヤだ…!
うっ…
うアぁァぁァァッ!!
エドス:バノッサ!?
オルドレイク:フハハハハッ なんという素晴らしい力だ!!
さああ、バノッサよ 来るがいい!
その力で、お前を魔王にしてやろう!!
召喚儀式祭壇前
バノッサ:うオぉオぉォ…
オルドレイク:そうだ、バノッサよ もっと絶望するのだ!
この世の全てを憎め それこそがお前に力を与えてくれるのだ
クラレット:父上っ!!
オルドレイク:クラレット もはや、お前は我が子ではない
育ててやった恩を忘れ成すべきこともできぬお前に、価値などないわ!!
ハヤト:オルドレイク…俺はお前を許さない!
自分の目的のために、多くの人たちの生き方をねじ曲げたお前を
俺は絶対に許さない!
オルドレイク:出来損ないの分際に、口出しされるいわれはない
身のほどを知れい!!
バトルあと
ハヤト:オルドレイク! 今すぐ、儀式を止めるんだ!!
オルドレイク:クククク…止めることなどできぬ
バノッサの変貌
バノッサ:うアぁァぁァ…!
オルドレイク:見よ! バノッサはすでに宝玉とひとつになった!!
あの男の憎悪と悲しみを生けにえにして、魔王はここに降臨するのだ
世界は滅びるのだ!!
クラレット:父上! 貴方という人は…
オルドレイク:クラレットよ お前は愚か者だ
次の世界の王の座を自ら捨ててしまったのだからな…
そしてバノッサよ
お前は果報者だ!
一度は捨てられながら最後の最後で、栄光をつかんだのだからな
バノッサ:なァ…ッ なンだ、ト…?
ハヤト:(まさか…バノッサの父親は!?)
オルドレイク:父はうれしいぞ…我が息子よ?
バノッサ:きッ…きサまガ…
貴様がそうだったのかアアアァァァッ!!
オルドレイク:な…何をする バノッサ!?
バノッサ:許サねェ…!!
母さンを…ソしテ こノ俺を捨テたお前ダけハ…
絶対ニ…ッ 許さねえェェェッ!!
殺害
オルドレイク:ぐぎゃああああっ!?
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